2025年問題によって、若い人が少なくなることによる労働力不足や医療費などの財政問題が表面化すると言われていますが、医療現場にも大きな影響を及ぼすと考えられます。

医療を必要とする高齢者が増えることで医師不足が深刻化し、機能を維持できない病院が増える懸念もあります。同じように看護師不足も進むことで需要と供給のバランスが崩壊し、適切なサービスを受けられない人が増えてくることが心配されています。

政府はこの2025年問題に対処するために地域包括ケアシステムの構築を目指しています。地域包括ケアシステムは、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で生活できるように、医療、介護、住宅、生活支援を一体として提供できるシステムです。

今後も進んでいく少子高齢化に対応するために、AIによる健康維持のサポートも模索されています。食事、運動、睡眠を自動で診断し、適切な健康アドバイスを行うためにAIを活用しようという取り組みです。生活習慣病を発症するリスクについても予測し、病気になる確率も予測可能となります。

医療サービスの改革にもAIを利用することで医師の画像診断をサポートしたり、遠隔医療も可能となります。AIによる人間の医師に代わる診察も可能となることで医師不足に対応でき、患者は待ち時間を軽減できるといったメリットもあります。医療施設内でのトイレや入浴時の見守り、転倒などの緊急時にも活用することで施設内の人員削減が可能になるでしょう。